pHとは?酸性・中性・アルカリ性の見方と、pHが1違うと10倍になる理由
この記事はAIの支援を受けて原文を翻訳したものです。専門用語や数式は原文とあわせて確認してください。
pH(ピーエイチ。「ペーハー」とも読みます)は、水溶液がどれだけ酸性かアルカリ性かを表す数値で、水素イオン濃度の常用対数にマイナスを付けたもの(pH = −log10[H+])です。おなじみの0〜14の目盛りでは、25℃で7が中性、7より小さければ酸性、7より大きければアルカリ性(塩基性)になります。対数の目盛りなので、pHが1違うと水素イオン濃度は10倍違います。たとえばpH3の液体は、pH5の液体より水素イオン濃度が100倍高くなります。
pHとは?水素イオン濃度を表す数値
水溶液にはどれも、ごくわずかに水素イオン(H+)が含まれています。水中では、実際にはオキソニウムイオン(ヒドロニウムイオン)H3O+の形で存在しています。水素イオンが多いほど、その液体は酸性が強くなります。ただ、その濃度はとても小さく、何桁にもわたって変わるため、化学では対数を使って扱いやすい数に直します。それがpH(日本語では「水素イオン指数」)です。
- pH = −log10[H+]:[H+]は水素イオンのモル濃度(mol/L)です。
- [H+] = 10−pH:逆向きの式です。pH3なら0.001 mol/L、pH7なら0.0000001 mol/Lになります。
- 式にマイナスが付いているので、pHが小さいほど水素イオンは多くなります。
厳密にいうと、pHは水素イオンの「活量」で定義されます。活量とは、イオン同士の相互作用まで考えに入れた「有効濃度」のことです。薄い溶液なら、単純な濃度の式でほぼ正しく計算できます。しかし、濃い溶液や塩分の多い溶液では両者の値がずれてきます。pH電極が実際に応答するのも活量のほうです。なお、pHには単位がなく、水を溶媒とする水溶液にしか使えません。純粋な植物油や純粋なアルコールには、pHがありません。
pHが1違うと10倍違う理由
pHは10の指数にあたる数なので、2つのpHの差は「量の差」ではなく「比」を表します。差が1なら10倍、2なら100倍、3なら1,000倍です。次の表を見ると、数字がどれほど速く動くかが分かります。
| pH | [H+](mol/L) | pH7に対する[H+]の比 |
|---|---|---|
| 3 | 0.001(10−3) | 10,000倍 |
| 4 | 0.0001(10−4) | 1,000倍 |
| 5 | 0.00001(10−5) | 100倍 |
| 6 | 0.000001(10−6) | 10倍 |
| 7 | 0.0000001(10−7) | 基準(25℃で中性) |
| 8 | 0.00000001(10−8) | 10分の1 |
| 9 | 0.000000001(10−9) | 100分の1 |
pH3からpH9までは目盛りで6つ分しかありませんが、水素イオン濃度は100万倍も変わります。pHの「小さな差」が、化学的には大きな違いになりうるのはそのためです。
計算例:pH3とpH5を比べる
- pH3を換算します。[H+] = 10−3 = 0.001 mol/L。
- pH5を換算します。[H+] = 10−5 = 0.00001 mol/L。
- 割り算をします。0.001 ÷ 0.00001 = 100。pH3の液体には、水素イオンが100倍多く含まれています。
近道は比 = 10pHの差で、小数の差にも使えます。差が0.3なら約2倍(100.3 ≈ 2.0)、0.1なら約1.26倍です。例として、レモン果汁をpH2、ブラックコーヒーをpH5とおいてみます(切りのよい例示用の数値で、実際の範囲は後述の表のとおりです)。差は3なので、水素イオンは約1,000倍です。
海洋の話題にも同じ計算が使えます。NOAA(米国海洋大気庁)は、海洋表層の平均pHが産業革命の開始以来0.1下がって約8.1になったとして、これを酸性度のおよそ30%の上昇にあたると説明しています(ちょうど0.1の低下なら、計算上は約26%です)。海水は今もアルカリ性で、そのアルカリ性が少し弱まった、ということです。
酸性・中性・アルカリ性の基準:pH7が中性なのは25℃のときだけ
水はごくわずかですが、自分自身で電離します(自己電離)。水分子のうち、ほんの一部が隣の分子に水素イオンを渡し、H3O+とOH−ができるのです。この2つのイオンの濃度の積は一定で、「水のイオン積」Kwと呼ばれます。25℃ではKw = 1.0 × 10−14です。純水では両方のイオンが同じ数だけあるので、どちらも10−7 mol/Lとなり、pHは7になります。同じ定数のおかげで、水酸化物イオン側の指標であるpOHとの間にも、25℃ではpH + pOH = 14という関係が成り立ちます。
つまり「中性」の本当の意味は「pH7」ではなく、[H+] = [OH−]であることです。Kwは水温が上がると大きくなるため、中性の純水のpHは、0℃で約7.47、50℃で6.63、100℃で6.14と下がっていきます。pH6.14の沸騰したお湯は、酸性ではありません。両方のイオンが同じだけ増えたので、今でも中性です。pHの測定値には温度を添えるのが望ましいのも、教科書の値がたいてい25℃を前提にしているのも、このためです。
身近なもののpHの目安
次の範囲は、公表されている測定値にもとづいています。熟度、銘柄、抽出方法、濃度などで変わるため、正確な値ではなく、あくまで目安として見てください。
| 物質 | pHの目安 | 性質 |
|---|---|---|
| レモン果汁 | 2.0〜2.6 | 酸性 |
| 食酢 | 2.4〜3.4 | 酸性 |
| ブラックコーヒー | 4.85〜5.13 | 弱酸性 |
| きれいな雨水 | 約5.6 | 弱酸性 |
| 25℃の純水 | 7.00 | 中性 |
| 海水(表層の平均) | 約8.1 | 弱アルカリ性 |
| 重曹水(0.1 mol/L) | 8.3 | 弱アルカリ性 |
| アンモニア水(0.1〜1 mol/L) | 11.1〜11.6 | アルカリ性 |
きれいな雨水がわずかに酸性なのは、大気中の二酸化炭素が溶け込んで、弱い酸である炭酸ができるためです。酸性雨はこれよりさらに低く、通常はpH4.2〜4.4程度で、きれいな雨水のおよそ16〜25倍の水素イオンを含む計算になります。
pHの測り方:リトマス紙・pH試験紙・pHメーター
- リトマス紙:酸性の液体では青色リトマス紙が赤に、アルカリ性の液体では赤色リトマス紙が青に変わります。中性を境に酸性側かアルカリ性側かは分かりますが、どれだけ離れているかは分かりません。
- 万能pH試験紙・万能指示薬:複数の色素を混ぜてあり、pHに応じて色が変わります。付属の色見本と見比べて値を読み取ります。手軽で安価ですが、pHメーターに比べると精度はかなり劣ります。
- pHメーター(pH計):ガラス電極を使います。25℃では、pHが1変わるごとに電極の電圧が約59 mV変わるので、その電圧をpHに換算して表示します。OpenStaxは、一般的な携帯型メーターは0.01刻みで表示でき、精度は±0.2程度、研究用のメーターでは約±0.002に達すると説明しています。
pHメーターの精度は、校正の出来しだいです。ふつうは、pHが分かっているpH標準液(緩衝液)2種類で電極を校正します(2点校正)。1つはpH7付近の液、もう1つは、測りたい試料のpHの範囲に合わせて選ぶ、より酸性側またはアルカリ性側の液です。59 mVという数字は25℃のときのもので、電極の応答は温度によって変わります。そのため、試料の温度も測って補正するメーターが多くあります。一方、試験紙のような指示薬では、おおまかな値しか分かりません。
pHでよくある誤解
- 「pH6はpH7より少し酸性が強いだけ」:pH6はpH7の10倍の水素イオンを含み、pH4なら1,000倍です。
- 「pHは0〜14の範囲を超えない」:0〜14は、身近な溶液での実用上の範囲であって、壁ではありません。濃い強酸のpHは0を下回り、濃い強塩基のpHは14を上回ります。米国地質調査所(USGS)の研究者は、カリフォルニア州アイアンマウンテンの鉱山排水で、−3.6という低いpHを測定しました。
- 「pHが低いほど強い酸」:pHは、酸の強さだけでなく濃度にも左右されます。強酸である塩酸でも、0.001 mol/Lの溶液ならpH3です。一方、食酢は弱酸の溶液ですが、濃度がずっと高いため、pH2.4まで下がることがあります。
- 「酸は十分に薄めればアルカリ性になる」:水を加えるとpHは中性に近づきますが、中性を越えることはありません。水そのものがH+とOH−を同じ量ずつ出すからです。
- 「pHは体によいかどうかを示す」:pHが表すのは水素イオン活量だけです。栄養や健康の指標ではありません。
よくある質問
pH7はなぜ中性なのですか?
25℃の純水では、H+とOH−の濃度が等しく、どちらも10−7 mol/Lです。−log10(10−7) = 7なので、pHは7になります。温度が変わると中性になるpHも動き、たとえば100℃では6.14です。
pH4はpH6より何倍酸性が強いのですか?
pHの差は2なので、pH4の液体には、pH6の液体の102 = 100倍の水素イオンが含まれています。
pHはマイナスになりますか?
なります。水素イオンが1 mol/Lを超える強酸では、pHは0を下回ります。OpenStaxには、pH−1.07が約12 mol/Lのオキソニウムイオン濃度に当たるという計算例があります。これほど濃いと活量と濃度が大きくずれるため、こうした値はおおよそのものです。
「アルカリ性」と「塩基性」は同じ意味ですか?
pHの話では、同じ意味で使えます。アルカリ性(塩基性)の溶液ではOH−がH+より多く、25℃ではpHが7より大きくなります。
出典:米国地質調査所(USGS)「pHと水」、OpenStax『Chemistry 2e』14.2「pHとpOH」、LibreTexts Chemistry「純水のpHの温度依存性」、NOAA「海洋酸性化」(いずれも英語のページです)
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